従来の限界を超えて。再生医療への挑戦
アットクリニック(以下AC):最初に、先生が行っている科目の説明、診療内容、そして再生医療が具体的にどのような治療なのかを教えていただけますか?
診療内容としては、整形外科疾患の変形性関節症、膝半月板損傷、肩腱板損傷など、変形性関節症一般やそういった損傷に加え、脊椎領域では脊髄損傷や首腰のヘルニアなどを扱っています。再生医療は、患者様ご自身の幹細胞を採取し、体外で培養して数を増やしてから、再び体内に注射で戻すという流れで行います。
AC:先生は長い間、保険診療に携わっていらっしゃったと伺いました。再生医療の世界に進まれたきっかけは何だったのでしょうか?
再生医療に進んだのは、保険診療では治療に限界を感じることが多々あったからです。特に脊椎疾患など神経を扱う領域では、一度神経がダメージを受けてしまうと、手術がうまくいっても機能回復が難しい患者様が多くいらっしゃいました。「治せない」という悔しい経験が、大きな原動力となりました。

AC:再生医療によって、具体的にどのような変化が見られることがあるのでしょうか?特に印象的な事例などがあれば教えてください。
本当に驚くような事例を多く目にします。例えば、足が全く動かなかった方が幹細胞を注射した数日後には動き始めたり、車椅子だった方が歩行できるようになったり。神経系疾患においては、効果の発現が比較的早い傾向にあります。神経そのものが完全に再生されたというよりは、眠っていた神経細胞が活性化されることによる効果に近いですね。
AC:それは素晴らしいですね。患者様の細胞の状態、例えば年齢や生活習慣などによって、治療効果に差が出ることはありますか?
細胞の活性度には、もちろん年齢なども影響する可能性はありますが、最も重要なのは「培養技術」だと考えています。どのような患者様の細胞でも、当院のしっかりとした培養技術を用いれば、治療に必要な数と活動性の高い細胞を準備することができます。ここにこそ、クリニックの技術力の差が現れると実感しています。
