時間と労力をかけた自己進行型のクリニック開設と独自のコンセプト設定
東京での開業を通して大変だったことや、悩んだこと、こだわったことを教えてください。
コンサルティング業者を入れずに開業準備を進めたため、各工程に多く時間を要したことです。
まずは、不動産屋さんを見つけるところから物件を決めるまで、1年以上かかりました。物件が見つからないと次に進めないため、焦りを感じたこともありました。
また、銀行の融資を通すことにも苦労しました。コンサルティング業者のサポートがあれば、営業計画書の作成などがもっとスムーズだったように感じます。私は自力で進めたため、仕事の合間の時間を使って複数の銀行を訪問し、なんとか融資を受けることができました。
開業へのこだわりとしては、「ホテルライク」と「生まれ変わる、もう一人の自分に出会える場所」という2つのコンセプトを設定しました。内装業者の方にテーマを決めて欲しいといわれてからまずこの2つのコンセプトを考え、打ち合わせを重ねていくうちに具体化していきました。
美容クリニックといえば、派手な空間づくりをイメージされる患者さんも、もしかすると多いかもしれません。実際に、華やかな内装にしている美容クリニックさんも一定数存在します。しかし、私は居心地の良さやくつろぎやすさなどを重視したかったため、内装のデザインとしてはホテルライクを意識しました。
また、美容クリニックなので「生まれ変わる、もう一人の自分に出会える場所」というコンセプトも重視しました。そして「トンネルやドアをくぐると人が変わる」という神話をもとに、扉をテーマとしてクリニックづくりを進めることを決めました。ガラスを使った扉のデザインにこだわったり、クリニックのロゴも扉をモチーフにしたりしています。