クリニック開業を支援した
ドクターのインタビュー

東京駒込皮膚科クリニック

※ 記事は2026年1月のものです。

東京駒込皮膚科クリニック 山田貴博院長とアットクリニック担当者

クリニック紹介

東京駒込皮膚科クリニック

東京駒込皮膚科クリニック 院内の様子

URL:https://komagome-skincilnic.com/
院  長:山田 貴博 様
診療科目:皮膚科/アレルギー科
所 在 地 :東京都北区中里2丁目2-6 KRM駒込ビル 5階
竣工年月:1992年10月
対象面積:20.66坪(68.33㎡)

東京都北区駒込にある「東京駒込皮膚科クリニック」。大阪での9年の実績を経て東京で開院し、千葉・埼玉からもアクセス良好な物件選定をサポートさせていただきました。クリニック経営の課題や関西と東京の文化の違いなどについて、院長の山田貴博様に伺いました。

アットクリニック受託業務:物件仲介

オンライン診療が導いた新たな挑戦

アットクリニック(以下AC):早速ですがまず、診察内容からお聞かせください。

山田様:主に一般的な皮膚科の保険診療が対象になります。その中でもアトピー性皮膚炎に特化していて、特に中等症から重症の患者さんでお薬を塗っても治らない方々に、次のステップとしてどのように治療するか、もしくは症状が落ち着いていても、どのように減薬してお薬をやめていけるのか、というアドバイスをするのがメインです。

また、それ以外にもイボやニキビなどの症状にも、幅広く対応しています。

AC:開業を検討されてから決定に至るまでの経緯についてお聞かせください。

山田様:大阪では2017年に開業し、家庭の事情もあり、大阪で診療していました。コロナ前から、全国から診察を受けたいという患者さんが増えました。しかしせっかく来ていただいても、お薬を変える必要はない、ということだけ伝えるのがもどかしく、オンライン診療に傾倒していきました。

オンライン診療が普及すると、東京や千葉などの関東圏、東北の方など、直接診て診断したり、注射の指導が必要な場面が出てきました。そうなると大阪まで来ていただくことが不可欠となり、患者さんは旅行や出張のタイミングでしか来られません。

東京のクリニックに紹介する形もありましたが、ドクターが変わると方針が変わり混乱すると言われ、うまくいかないケースもありました。様々な要因が重なり、東京で開業しようと決断しました。

AC:開業されてから、率直な感想をお聞かせください。

山田様:正直なところ、東京はドクターが山ほどいて、皮膚科もたくさんあるので、皮膚科にかかっていない患者さんはほとんどいないのではないかというイメージを持っていました。ですので、オンライン診療のための拠点として開業しました。

しかし現実は、まだまだ皮膚科にかかるチャンスがない、あるいは近くでたまたま相性の良い先生が見つからないまま通わずにいるという方たちがたくさんいます。

大阪で開業した時も周辺に皮膚科がないところで開業したのですが、まだ治療にたどり着けていない方々が東京にもたくさんいることには驚きました。実際には、近隣の方から、仙台、高知と遠方の方の通院もありました。

東京駒込皮膚科クリニック 山田貴博院長
東京駒込皮膚科クリニック 山田貴博院長

「ここなら行けそう」と思ってもらえる立地選び

AC:物件選定にあたって、最も重視されたポイントは何でしょうか。

山田様:まずアクセスの良さを重視しました。オンライン診療を受けている方々は、この北区に住まわれている方だけではありませんので、少し離れたところからでも通いやすい街であってほしいという思いがありました。

オンライン診療で患者さんの傾向を見ていると、東京都内ももちろん患者さんのボリュームは多いですが、東京だけでなく千葉と埼玉が非常に多い印象があります。

そういった方々が、通院しやすいように乗り換えやアクセスの良い街にしたいという思いがありました。

東京駒込皮膚科クリニック 院内の様子
東京駒込皮膚科クリニック 院内の様子
東京駒込皮膚科クリニック 山田貴博院長

AC:最終的に決めた物件の魅力についてお聞かせください。

山田様:フロアが5階という点では少し階層が高いですが、駅からすぐのところにあります。そのため、多くの人が出入りする場所です。便利なところに皮膚科があるということを知ってもらうだけでも、皮膚科に通うきっかけづくりになるのではないかと考え、駅直結という点を重視しました。

AC:内装などこだわったポイントを教えてください。

山田様:まずは清潔感です。清潔感が一つで、もう一つはあまりクリニックらしくしない、ということを意識しています。床材などは割と汚れが目立つので、掃除も含めて気を配っています。また、観葉植物なども置いていて、あえてクリニックとは少し違うテイストで、クリニックのようでクリニックではない、という雰囲気を目指しています。

東京駒込皮膚科クリニック バルコニー
東京駒込皮膚科クリニック バルコニーから見た景色

価格競争ではなくブランド力を強化

AC:東京での開業でどのような苦労がありましたか。

山田様:大阪では競合がないエリアで開業しましたが、東京で競合がないエリアはありません。そこが新たな挑戦でした。

しかし実際は、お互いが競い合う形ではなく、これまでご縁がなかった方たちとどう結びつくかに発想を転換する必要がありました。

また、皮膚科に行ったことがない人に訴求をどうしていくかを重視しています。看板や口コミを含めたネット対策においても、地域のクリニックと競わない方針です。

価格競争ではなく、ブランド力として、このドクター、このクリニックだから安心できるという点をどれだけアピールできるかが重要だと考えています。

AC:想定していた課題と実際の課題に違いはありましたか?

山田様:東京と大阪では話し方や説明の言葉遣いが違うことです。大阪の下町で長く診療していたので、お薬を塗っていないと「全然塗ってへんやん、なんでなん」と言っていました。

開業初日にその調子で「これ塗ってます?」と聞いたら、患者さんが凍りついてしまいました笑。 その時に初めて、同じ調子で診療してしまうと、責めているような印象を与えてしまうのだと反省しました。

AC:医師であり経営者でもあるという立場で、今後の課題についてどのようにお考えですか。

山田様:最初はGoogleマップ上での認知度をメインに考えていましたが、そのエリアを選んでくれる人しか認知されないので、現在はSEOや口コミに力を入れています。

また、決済ではキャッシュレス、ペーパーレスを目指しています。無人でどこまでオペレーションができるかというトライも考えています。

東京駒込皮膚科クリニック 院内の様子
東京駒込皮膚科クリニック 院内の様子
東京駒込皮膚科クリニック 院内の様子

リスクを恐れず、経験者に学ぶ

AC:開業を目指す方へアドバイスをお願いします。

山田様:物件は本当に水物です。良い物件が来たと思った時に、すぐに手を挙げる心構えが必要です。リスクは百も承知で、それでもやりたいと即座に動ける準備ができていないのであれば、まだ時期尚早だと思います。

覚悟を持って、行ってから考えるという心意気が大切です。もっと良い物件があるかもしれないと言っているうちは、良いところは出てこないと思います。

そして、物件を決めてから開業までは、経験値を持っている先輩たちに教えてもらい、頼るべきものは頼って、とにかく覚悟を持つことが大切だと思います。

患者さんとのコミュニケーションを重視

AC:今後の展望をお聞かせください。

山田様:大阪で開業した時、診療というのはこうあるべきだという固定観念からどれだけ離れて、こんなこともできたらいいのではないかという提案ができるのか、そのためにどんな仕組みが必要なのか、ということを実現したいと思って開業しました。東京でもその方針は変わらないと思います。

現在の課題は、外国人患者さんが非常に増えていることです。文化の違いもあり、定期的に帰国されるため治療が途切れたり、驚くような状態で再来院されることがあります。海外と日本を行き来する方や単身の方に対しても、継続的に医療を提供できる仕組みを知っていただく努力をしたいと考えています。

AC:皮膚科という科目の将来性について、どのようにお考えですか。

山田様:正直なところ、皮膚科は保険診療では単価が低く、数を診る必要のある科です。診療報酬改定でも今後それほど伸びしろはなく、保険診療だけでたくさんの患者さんを診るビジネスモデルは破綻すると考えています。

そうなると、患者さんが何を求めているのか、それに応えられるかが重要になります。美容だけでなく、予防医療や内科的なところも含めたトータルの相談役として、幅広く相談に乗れる皮膚科医が今後重要になってくると思います。

東京駒込皮膚科クリニック 診察の様子
東京駒込皮膚科クリニック 山田貴博院長とスタッフの方々

AC:本日は貴重なお話をありがとうございました。

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