クリニック開業を支援した
ドクターのインタビュー

SAクリニック

※ 記事は2026年6月のものです。

SAクリニック 宮路啓太院長とアットクリニック担当者

クリニック紹介

SAクリニック

SAクリニック 受付

URL:https://s-a.clinic/
院  長:宮路 啓太 様
診療科目:再生医療/内科/統合医療
所 在 地 :神戸市中央区元町通1丁目4-12 MISX 4階
竣工年月:1953年
対象面積:約25.52坪(84.39㎡)

神戸・元町駅徒歩2分の立地にオープンした「SAクリニック」は、内科・整形外科・リハビリを専門とするクリニックです。「生涯歩ける」をクリニック名に込め、膝・腰・股関節などの運動器疾患から再生医療・予防医療まで幅広く展開するのが特長です。院長の宮路先生に、開業の経緯や思い、また物件選び、内装のこだわり、そして今後の展望についてお話を伺いました。

アットクリニック受託業務:物件仲介内装開業支援

「生涯歩ける」を目指す、予防と再生の新しいクリニック

アットクリニック(以下AC):まずは、診察内容から教えていただけますか。

宮路先生:科目としては内科・整形外科・リハビリテーション科 を掲げています。クリニック名のSAは「生涯歩ける」の頭文字で、内科疾患や整形疾患によって歩けなくなった方を対象にしています。具体的には、膝・腰・股関節・肩の痛みや、脳卒中後の麻痺など、何らかの痛みや麻痺で歩けない方を中心にサポートしています。

AC:6月1日にプレオープンを迎えられましたが、今の率直なご感想はいかがでしょうか。

宮路先生:一言で申し上げれば、本当に嬉しく、非常にモチベーションが高まっています。もちろん、経営者としての不安が皆無というわけではありませんが、それ以上に「自分のクリニックを持てた」という喜びが勝っています。これまでの勤務医としての環境とは異なり、診療内容からクリニックの方向性まで、すべてを自身の裁量で、理想の形へと組み立てていくことができます。その自由度と責任の重さに、今までにない大きなやりがいを感じています。

循環器内科から「予防」へ――開業を決意したきっかけ

AC:勤務医から開業医へと歩みを進められた経緯をお聞かせください。

宮路先生:もともとは循環器内科医として勤務していました。その中で心筋梗塞の患者さんを診る機会が多く、どうしても繰り返し発症してしまう方が少なくないことに、強い問題意識を感じていました。高齢化や生活習慣病の増加という背景もあり、疾患の大元を何とかできないかという思いが強くなっていきました。

そこから予防や未病という領域に興味が向き、漢方や東洋医学の知識も治療に取り入れ始めました。しかし、通常の保険診療の範囲内や勤務医という環境では、どうしても目の前の疾患の治療が最優先となり、予防の取り組みに十分なリソースを割くことが難しいのが現状でした。それならば、自分が理想とする医療をオリジナルにカスタマイズし、提供できるクリニックを立ち上げたいと考えたのが、開業を決意したきっかけです。

AC:開業への不安を乗り越えた原動力は何でしたか。

宮路先生:「やらない後悔より、やる後悔のほうがいい」というのが自分の性格の根底にあります。ただ、勢いだけで動いたわけではありません。再生医療という高付加価値な診療領域を軸に据えること、スモールスタートでランニングコストを徹底して抑えること、そして集客にしっかりと注力することなど、ビジネスとして「コケないため」の戦略を逆算して組み立てました。リスクを最小限に抑える準備をしっかりと積み重ねたうえで、確信を持って一歩を踏み出しました。

SAクリニック 宮路啓太院長

再生医療という新領域への挑戦

AC:再生医療は専門外からの参入になると思いますが、準備はどのように進めましたか。

宮路先生:先行して再生医療を展開されているクリニックで、約1年間、非常勤として実際の診療に携わらせていただきました。もちろん未知の領域への不安はありましたが、この分野はそもそも大きな大学病院などで習得できる環境がなく、参入される先生方のほとんどがゼロからのスタートです。

そうした先駆者の方々のお話を伺う中で、医療としての「やる価値」を十分に確信することができました。また、市場として見た場合、神戸は東京や大阪と比べて再生医療を提供するクリニックがまだ少なく、先行優位性を持って勝負できる余地が十分にあると感じたことも、この地で参入を決めた大きな理由です。

神戸・元町への愛着と立地の戦略

AC:今回、神戸・元町を選ばれた理由を教えてください。

宮路先生:私自身が神戸大学の出身ということもあり 、この街には馴染みと愛着があります。そのうえで、地域の方々に長く愛されるクリニックを作りたいという強い思いがありました。ちょうど近隣の神戸大丸さんがまもなく100周年を迎えられると伺い、まさにそのような、地域に根ざし、長く信頼される存在を目指したいと考えています。

また、元町は南京町をはじめとする観光地や繁華街が集まっており 、非常に人の流れが多いエリアでもあります。患者様にとってのアクセスの良さと、エリアとしての活気の双方を重視して検討を重ねた結果、この場所がベストであるという結論にたどり着きました。

AC:物件選定で特に重視したポイントは?

宮路先生:一番は、利便性を最優先することです。駅から近く、人の流れが多い場所というのは絶対条件でした。

また、今後は自費診療にも少しずつ軸足を移していきたいと考えているため、必ずしも1階の路面でなくてもよいと判断しました。何よりも重要なのは、患者様にとって「来てもらいやすい場所かどうか」という一点に絞って検討した結果、この物件に決定いたしました。

SAクリニック 院内の様子
SAクリニック 院内の様子
SAクリニック 院内の様子
SAクリニック 院内の様子

誠実さと「特別感」を両立した空間づくり

AC:内装のこだわりについてお聞かせください。

宮路先生:まず、「誠実さが伝わること」を大前提に置きました。自費診療も提供するクリニックとして、患者様に「信頼できる、しっかりしたクリニックだ」と感じていただけるような、落ち着いた配色や雰囲気が不可欠だと思いました。 派手になりすぎず、かといって素っ気なくもない、その絶妙なバランスを軸に、1室だけシャンデリアを設けた特別感のある処置室を設けています。 日常の診察空間とは一線を画すその部屋が、自費治療にふさわしい体験を演出してくれています。本当に理想通りの仕上がりになり、非常に満足しています。

SAクリニック 院内の様子
SAクリニック 院内の様子
SAクリニック 院内の様子

「苦労なく進めた」開業――信頼できるパートナーの存在

AC:開業準備で大変だったことはありましたか。

宮路先生:正直に申し上げますと、あまり苦労したという記憶がありません。わからないことがあってもすぐに相談でき、即座に専門家への橋渡しや適切なご提案をいただけたので、準備期間中もずっとよく眠れていました(笑)。

強いて言えば、融資のところが一番の懸念点でしたが、それも非常に心強い方々をご紹介いただいたことで、結果として複数の金融機関から融資を受けられる見通しが立ちました。

電子カルテや内装に関しても、クリニックの専門知識を持ったサポートがあったからこそ、余計な迷いなく適切な選択ができたと感じています。私自身、過去にカフェ事業を立ち上げた経験があり、内装を自分たちで進める難しさは身に染みてわかっていました。だからこそ、今回は医療専門のプロフェッショナルにお任せすることで、むしろカフェのときよりもスムーズに、安心して進めることができました。

AC:開業準備中、意識の多くはどこに向いていましたか。

宮路先生:開業後の運用のことをずっと考えていました。具体的には、集患のペースや、ランニングコストをどう低く抑えるか、そしてスモールスタートをどう実現するか、という点です。私自身、飲食業での経営経験から、固定費の怖さは身に染みて痛感していましたので、その時の経営感覚が非常に生きたと感じています。

またプロの視点から費用対効果をしっかり見極めてアドバイスをいただけたことで、電子カルテも含めて、全体的なコストを最小限に抑えることができました。

SAクリニック 宮路啓太院長
SAクリニック 院内の様子
SAクリニック 院内の様子

「歩行寿命」の概念を広め、神戸から全国へ

AC:今後の展望をお聞かせください。

宮路先生:まずは、この神戸・元町の地域にしっかりと根ざすところからです。ただ、私が思い描いているのはその先にあります。具体的には「歩行年齢」という新しい概念を提唱し、LINEやInstagramを通じて、誰もが無料でご自身の歩行年齢を測定できるような仕組みを作りたいと考えています。

年齢を重ねるにつれて歩ける距離が短くなっていくという現実に対し、予防の視点から主体的にアプローチしていきたいです。そのために、地域に密着した取り組みと、SNSを通じた全国への発信を組み合わせていきたいと考えています。また、将来的には分院展開も視野に入れており、次は名古屋や福岡への進出も具体的に構想しています。

AC:再生医療という領域の将来性については、どのようにお考えですか。

宮路先生:需要はこれからますます高まっていくと確信しています。これまでの西洋医学は、人体をどこまでも細かく見ていくという方向に進化を遂げてきました。最初は個体や臓器レベルだったものが、やがて細胞レベルになり、現在では遺伝子や、細胞から分泌されるエクソソームといった非常に微細な領域まで見る時代になっています。

その進化の延長線上には、必ず細胞をコントロールする時代が来ると考えており、再生医療はまさにその最先端に触れている領域です。今後の市場としても、まだまだ非常に大きな伸びしろがあると感じています。

SAクリニック 宮路啓太院長
SAクリニック 院内の様子

これから開業する方へ

AC:開業を目指すドクターへのアドバイスをお願いします。

宮路先生:思い立ったら、まずは相談してみるということに尽きます。具体的な試算をしてもらい、税理士さんともつないでいただくことで、本当に実現可能なのかをまずは「数字」でしっかりと検証することが大切です。そのうえで、やれると分かれば一歩を踏み出せば良いですし、もし難しいと分かれば、一度撤退するという適切な判断を下すこともできます。

そして何よりも重要なのは、相談相手として医療という共通言語が通じるパートナーを見つけることです。いかに稼ぐかだけを追求するコンサルタントではなく、ドクターが本当にやりたい医療を同じ目線で理解し、一緒に形にしてくれる存在と出会えるかどうかが、開業の成否を大きく左右すると思っています。

AC:本日は貴重なお話をありがとうございました。

SAクリニック生涯、歩み続ける身体へ ロゴ
SAクリニック 宮路啓太院長

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