PHASE05
クリニック開業と人材マネジメント
- 求人から研修までのポイント -

クリニックの顔となるスタッフの採用は、経営を軌道に乗せるための重要な仕事です。しかし、これまで医師として勤務をしてきた多くの方は、人事採用に関わる業務は未経験かと思います。

そこで、今回は地域の方から信頼されるクリニックにするための、スタッフの採用の段取りや面接のポイント、就業規則の作成などについてお伝えします。承継開業の際のスタッフ採用、育成のポイントも深堀りしますので、ぜひ最後までご覧ください。

成功のためのクリニック看護師・スタッフ採用の流れ

クリニック開業にあたり、看護師や技師、事務員などのスタッフを採用するフローは以下の通りです。

  • 1採用基準の明確化
  • 2求人募集の方法を検討
  • 3求人広告の掲載
  • 4書類選考
  • 5面接
  • 6採用手続き
  • 7研修

採用の流れは、大まかに分けて7段階あります。

まずは、どのようなクリニックにしたいのかという思いを、採用基準に落とし込むところからスタートです。途中からは、広告業者なども関わってくるので、全てを自分のペースで進められる訳ではありません。

また、広告を出しても、すぐに人が集まるとも限りません。開業前に研修まで行うことまで念頭におき、時間や気持ちに余裕を持てるよう早めに動き出します。

地域に根ざした求人募集
開業クリニックの成功に向けて

クリニックの経営は、医師だけではなく看護師や技師、事務員などのスタッフ一人ひとりが安心して能力を発揮できてこそ上手くいきます。そこで、まずは人事や労務などの管理体制を整えることが必要です。

最初に、クリニックの経営に必要なスタッフの人数を決めます。その後、ハローワークやIndeedなどの求人紹介を行う企業へ依頼して、募集開始です。医療系専門の人材紹介会社などに依頼する方法もあります。

インターネットや折込チラシなどの広告媒体に掲載することも可能です。新聞広告を活用すれば、インターネットを読まない世代にも知ってもらいやすいです。地域やクリニックの求める人物像に併せて、どの媒体で募集をかけるかを決めると良いでしょう。

ちなみに、求人募集は、クリニック開業の宣伝にもなります。地域の人の目につくところにも掲示するなど、集患に繋がるよう工夫しましょう。

できれば、求人広告に自社のホームページを掲載できるとなお良いです。ホームページでクリニックの方針や雰囲気が分かると、安心して応募しやすいでしょう。また、よりマッチした人材を集めやすくなるというメリットもあります。

採用の成功への道
理念に沿った人材の発掘と採用

スタッフを選別する際には、性格が自分と合うかどうか、患者さんや他のスタッフを不快にさせるコミュニケーションをとらないなど、人間性の部分はもちろん大切です。協調性のないスタッフがいると、クリニックの雰囲気が悪くなってしまうので、周りの人を大切にする人を採用することは大前提です。

その上で、医療従事者としてどのようなことを大切にしているのか、クリニックの経営方針や理念を理解した上で働いてくれるのかなど、医療従事者として与えられた役目を全うしてくれそうかどうかもチェックします。

また、もし特定の領域に特化したクリニックにしたい場合、その分野に詳しいスタッフを雇うのも手です。どのような経験が望ましいのか、自分の中で明確にしておくと良いでしょう。

面接時は、応募者の考え方ややりたいことなどをしっかり聞いておくことも大切です。それを実現できる場所であれば、より相性が良いといえます。給料や福利厚生などの条件に納得しているか確認することも欠かせません。

もし、面接で必要事項を全て確認できるか不安な場合には、面接前のアンケートを用意するのが有効です。直接言いづらいことも、アンケートであれば伝えやすいかもしれません。

労務管理の基礎
求人・採用前の就業規則の文章化

就業規則は、職場を選ぶ際に参考にするポイントです。クリニックの方針や考え方が反映されるものだからです。法的に定めの必要がない労働者10人未満のクリニックを開業する場合でも、ある程度形にしておくのがおすすめです。

もし1から作ることに不安のある場合は、厚生労働省の「モデル就業規則」を参考にしてみてください。

また、もし特定の領域に特化したクリニックにしたい場合、その分野に詳しいスタッフを雇うのも手です。どのような経験が望ましいのか、自分の中で明確にしておくと良いでしょう。また、就業規則に加えて、経理理念やミッション、診療方針なども定めておくと良いです。ホームページで公開しておくと、応募者や患者さんにも周知でき、クリニックの体制や雰囲気を知ってもらいやすいです。

働きやすい職場環境の構築
丁寧な面接と研修の重要性

クリニックを開業するにあたって、優秀な人材を集めるための面接はとても大切な工程です。一人ひとりの経験や適性などをヒアリングしながら、マッチする人材であるかどうかを判断します。

クリニック経営にあたっては、無理なくシフトが組めるかどうかも考慮して面接をする必要があります。希望する勤務日数や時間帯はもちろん、自立して働けるのか、もしくは誰かのサポートが必要なのかによっても異なります。人手が不足すると回らなくなるので、予算に応じて余剰で雇えると安心です。

そして、人材を確保できた後には、より良いスタッフに育て上げるための研修が必須です。研修内容としては、会計・電子カルテ・医療機器の扱い方、コミュニケーションやマナー、個人情報管理などがあります。

クリニックとして、医療行為を適切に行うための学びはもちろんのこと、患者さんが通いやすく、心を開いて話しをしやすい環境づくりも大切です。スタッフ一人ひとりが、開業したクリニックの看板を背負っており、患者さんへの印象を左右するので、接遇に関する研修も行いましょう。

クリニックやスタッフ一人ひとりが信頼され、必要とされる存在であるために、開業時はもちろん定期的に研修を行えるとなお良いです。

継承開業のメリット
経験スタッフの継続雇用

もし、継承開業できた場合には、開業前のクリニックで働いていたスタッフの雇用を引き継ぐことも可能です。面接などを経て、雇用条件を受け入れてもらえれば、契約を締結できます。

もし、同じ診療科であれば、経験を養ったスタッフを雇用できるため、開業後の体制づくりがしやすくなります。また、スタッフ同士の人間性などもある程度理解し合えていている上に、採用コストがかかりません。さらに、スタッフが患者さんとの信頼関係を構築できている場合は集患しやすく、経営面で大きな恩恵を受けられます。

ただし、承継開業によるスタッフを引き継ぐことには、注意点もあります。まず、経験のあるスタッフは、給与が高めな場合があるということです。また、スタッフ同士の仲が悪かったり、患者さんへの態度が悪かったりする場合、病院の評判に悪影響を及ぼしかねません。

もし、スタッフを引き継ぐ場合には、面接をして人柄をチェックすることはもちろん、経営理念や診療方針などに賛同できるかどうか確認します。また、前クリニックの院長からスタッフの勤務態度や人間関係の問題を確認しておくと良いでしょう。

ちなみに、既存のクリニックと事業主が変わる場合には、退職金規定を引き継がなくて良いです。もし、同じ医療法人内で変わる場合には、退職金の規定が引き続き適応になります。手続きが不安な場合は、専門家である社会保険労務士に相談しましょう。アットクリニックからご紹介可能です。

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